IoT等活用による農業の高効率化の可能性検証
- 富岡町
- 農業
- IoT
- 実施年度:
- 平成30年度・平成31年度
- 事業者名:
- 代表業務責任者:日本工営(株)
共同事業者:(株)ふたば、福島大学(2019年度のみ)
背景(現状)
その地域で何が問題で、なぜその事業を行ったのか
福島県双葉郡富岡町では、未だ帰町者が少なく高齢者が多いことや避難の長期化等の影響で、農業分野の担い手不足や農地所有者の所有や営農に対する意向の減退が顕在化している。
そこで、農業従事者が完全に帰町できなかったり、新規就農者が経験不足であったりする状況下でも営農が可能な、高効率な農地管理技術の開発を目指した。
二酸化炭素排出削減への寄与とともに、新規就農や農業体験を通した町民の帰還や交流促進も期待される。
概要
どんな事業を行ったのか
先導的に農地集約を進め高効率化技術を導入する農地を抽出するとともに、適する栽培品目(ワイン用ブドウ)を選定した。
そのうえで、先導モデル農地等で導入すべき高効率化技術として4つの技術(右記)を考案し、実証実験を行った。
併せて、高効率化技術導入に適した圃場整備形態を検討し、ワイン用ブドウ栽培やワイン醸造に係る事業計画を立案しその経済性を分析した。
考案した高効率化技術・実証内容
- 温湿度管理によるカビ予防システムの実証
- マルチスペクトル画像によるカビ治療エリア特定の実証
- ドローン撮影画像による成長計測を活用した栽培管理効率化の実証
- ドローンによる農薬散布作業の効率化の実証
成果
背景(現状)を踏まえどのような成果が得られたのか
高効率化技術の検討及び実証実験では、カビ予防システムによる予防剤散布回数の減少、マルチスペクトル画像によるカビ発生エリアの特定など、農地管理の効率化に寄与する技術を実証することができた。
また、これらの管理効率化により、二酸化炭素排出削減効果を高めることを明らかにした。
課題
得られた成果からなにが課題なのか
今回実証した高効率化技術のなかには、技術面・運用面で課題が残るものもあり、実用化に向けては更なる改善が必要となる。
また、本検討で想定した、ワイン用ブドウ栽培及びワイン醸造に係る事業計画は、民間の独立採算での事業成立は難しいものであった。
しかし、事業性向上に向けて、官民連携や初期投資の圧縮等の方策を検討し、事業収支の改善の目途を立てることができた。